ホルトバージはハンガリーの東部に位置しています。
ここへ来ると、小さな丘がまったくないことに気づきます。目に見える限り、平坦な領域が続きます。
このような領域はハンガリー語で「プスタ」と言われています。この言葉には「何もない」という意味も含まれています。一見すると、ここには本当に何もなさそうですが、よく見ると無数の自然の驚異を発見することができます。

国内の地方とは異なり、ここの塩分土壌は作物生産にはあまり適しておらず、牧草地として多く使用されています。従って、何百年前から畜産は繁栄しており、牧童の文化が盛んなことでも知られています。

ホルトバージには、ハンガリーの最大の国立公園があり、観光客はこの国の大自然に触れることができます。馬、牛、羊、豚など、ハンガリーの代表的な動物が飼育されています。

ノーニウス馬
昔からハンガリー人は騎馬民族で、馬の種類が多いと言われています。「ノーニウスという名は、１９世紀の初頭ナポレオン戦争の時代に、フランスの群れから没収された一頭の馬の呼び名でした。この種馬がいくつかの牝馬とカップルングされ、素晴らしい馬種が生まれました。１９世紀に、ノーニウス種は騎兵隊の優秀な馬でしたが、現在は馬術スポーツで卓越した結果を達成しています。

灰色の牛
体が大きくて強く、とてもきれいな動物で、伝統的に牛車に利用されていました。この牛のお肉は中世時代からハンガリーの輸出物となっています。昔、この牛の群れは自分の足で６００～７００キロ離れた市場まで連れて行かれ、販売されていました。

水牛
中世時代にインドから入ってきた動物です。皮膚は非常に敏感なので、６時間ごとに水たまりなどの水に浸ります。水牛の肉もおいしいですが、ミルクからはモッツァレッラが作られます。

ラツカ羊
アルファベットのV形をするよじれ角の羊は、ハンガリー建国時代から我が国の代表的な動物で、この国にしかいません。白色と黒色がいて毛皮から織物、カーペットなどが生産されています。

マンガリツァ豚
この豚は、長い巻き毛で他の豚と簡単に区別できます。マンガリッツァ豚の肉は赤みがかっていて、不飽和脂肪酸が豊富な豚肉です。最近、オーダーできるレストランの数が増えてきました。

P―馬
建国時代にハンガリー人がカルパティア盆地にやってきた際の馬について、研究者たちの間でいくつかの意見に分かれています。しかしどのような馬だったか、今の所まだ分からないようですが、アジアから来た民族として、アジアのステップの馬を推測しているようです。昔モンゴル、または中央アジアで人気だった馬の一種ですが、１９世紀の中ごろまでに数が少なくなってしまい、絶滅危機におちいりました。この馬の名前はPRZEWALSKI馬、（ラテン語でEquus ferus przewalskii）で、簡単にP-馬と言われています。とてもきれいな動物で、特徴はブラシに似ているたてがみです。マイナス４０℃の寒さも我慢できますし、狼とも上手く戦うことができます。チンギス・ハンの時代に、モンゴル帝国で聖なる動物として崇められていたようです。現在、国際的な救助プログラムの成果もあり、ホルトバージ・バダシュパーク「Hortobágyi Vadaspark」で世界で二番目に大きい個体数、２７０頭が生息しています。 バードウオッチング
ホルトバージ国立公園の魅力の一つは、素晴らしい鳥類でしょう。過去３５年間で、湖では３００種の鳥が観察されました。ここに巣を作ったり移動する鳥類は多く、特にコウノトリの巣はホルトバージ風景の不可欠な部分です。カラフルな鳥と言うと、ニシブッポウソウ、ヨーロッパハチクイ、ヤツガシラなどがいます。
１０月の終わりごろ鶴が南へ移動し、ホルトバージで何日間も休むのですが、彼らの飛び方もとても印象的です。
国立公園は水鳥の自然生息地です。例えば、ゴイサギ、ムラサキサギ 、ユリカモメがいます。
日中は鳥が隠れていますので、鳥を見るために早朝に起きる必要があります。バードウオッチングにご参加なさる方々は、当日ブダペストからの到着は厳しいため、近くの村か都市での宿泊をお薦めいたします。

鳥類病院
負傷した、または病気の鳥の治療は、著名な獣医のもと鳥類病院で行われています。 鳥類病院にも観光客は訪れることができます。

グヤーシュ
ハンガリーの最も代表的な料理「グヤーシュ」はもともと、この地方の牛飼いの料理でした。牛肉や野菜と煮込んで、辛いパプリカで味付けされたシチューです。
ホルトバージを訪問する際には是非、正統なグヤーシュをお召し上がりください。